★タイトル 浮力

 船を、売却するため、キャビン内の荷物を、すべてポンツーンに出して見ました。出るわ、出るわ13年かけて、こつこつせっせ、と使いもしないのに運び入れたグッズが。

 まず、BBQ用の くし が封も切らずに3セットばかり、種類が微妙に違うので、毎年仕入れてはしまい忘れたのでしょう。食料品は、缶詰類が底に錆びを、浮かせたのが数キロばかり、米は玄米か?と思うくらい、変色したのがペットボトルに数本、調味料多数、同じ物が数点(すべて賞味期限切れ)、ナベ、釜、お皿、スリーピーバッグ数名分毛布、工具類(特殊工具は置いてきました)及び書籍類、合羽、着替え、その他もろもろ・・・・・・・・。

 数週間漂流しても、生きていけるくらいの備蓄量、車に運び入れるのにメインセールバッグをいっぱいにして4回往復かなりの量を運び出しました。

 すると、ヨットの、喫水線が5センチばかり、浮いてるではありませんか。カキや藻の線が5センチ位浮いて見えるのです。いったい、どの位のむだな荷物を搭載して、セーリングしていたのでしょうか、かなりの浮力を、無駄にしていたはずです。

 十数年前、まだヨットを、所有していないころ、スカンピのクルーをしていました。オーナーは、いまでもお世話になっております。DR・A氏です。現在は、糸満市の糸満フィッシャリーナですが、そのころのホームポートは宜野湾マリーナでした。

 いつものように、飲み物(バドワイザー1ケース)やおつまみ等を忘れないように、キャビンに仕舞い込みアビームでチービシ方面に、オーナーDR/A氏とセーリング。アビームで西方面ということは、北風か南風だったのでしょう。

 バドワイザーを、積み込んだととすれば夏ですね。港を出航し、しばらくしてセールトリムやセッティングが落ち着くと誰とはいわず、缶ビールのプルタブをあける音が・・・・・・。チービシを、真横に見たころ、冷たいお飲み物が、在庫切れ。

 それでは、ということで、泡盛の3合びんを引っ張り出し、そのままボトルを回しのみ。それも、飲み干したころ、スタボーに、タックと同時にジブシートを引いていた私は、急に廻りの景色が変わり、体が冷たいものに覆われた、感じがしたような、しないような・・・・。

 気が付くと、ヨットのハルが、顔の側で、ザーザー波しぶきを立てているでは有りませんか。ヨットからタックと同時に落水したのです。さいわい、ジブシートを離さず、引きずられている状態です。溺れるものはワラをもつかむです。

 しかし、この状況でも、DR・A氏は、冷静でした。両手でひっしにロープにしがみ付いている私を、ひっ捕まえてヨットに戻したのです。艇がヒールしているとはいえ、スタンションを超えて持ち上げるとは。          DR・Aさんその節はありがとう御座います。

 

 そのころは、よくオーナーとセーリングに出ていました。多少風があっても出航していました。あの事件にも懲りずに、相変わらず2人してクーラーBOXに、手を突っ込んでいましたね~。

 セーリングを楽しんだあと、帰港しポンツーンに、着岸もやいをするときは、クルーである私の担当です。もやいを準備し、タイミングよくロープをクリートしなければなりません。オーナーが静かにポンツーンに付け、私が、飛び降りる段取りです。

 

 そのとき、私の財布がなにかのひょうしに、船と桟橋の間に落ちたのです。

 一瞬、浮いたと思ったら。即、右左に一、二回、ひらを打ちながら、濁った海底に沈んで行きました。

 拾い上げるひまもなくすっすと沈みましたね。

 実は、しばらくして、同じ状況がオーナーのDR・A氏にも、起こりました。

 ただ違ったのはオーナーA氏は拾い上げたのです。財布を。

 回収する時間が有るほど、浮いていたのですよ。財布が。???

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