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 年末の片付で古い本を整理中出てきた開高健の某著。懐かしいので読みかえしてみると、こういうのが有りました。

要注意!!

釣り魚熱

(成人男子に極めて伝染性強し)

★症状

表情が虚ろになり、家族に対してしばしば甚しく無口になる。

如何なるタイプの仕事にもアレルギー反応を示す。

患者はまた全身の無力感にとらわれ、新鮮な空気、日光、運動不足を訴える。

釣道具屋の近くを徘徊し、釣具カタログを手放さなくなる。

また、深夜ひそかに仲間に電話をかける気配あり。

何かと言訳がましくなり、独り言が多くなる。

★治療

薬物治療は一切無益。精神療法は有害ですらある。

患者は精神的に不安定であり、

時に昂じて暴力をふるうこともある。

ただちに釣りにいかせるべし。

同時に行きつけの魚屋に回状をまわし、

患者が釣りに出かけたことを知らせておくこと。

(帰りに立ち寄ったときのために生きのいい肴を何匹か用意しておくことを注意すること)。

★後効果

出費(魚1ポンドあたり約12ドル32セント)。

魚を大きく見せるため必要以上にレンズを魚に

近づけて撮ったと思われるセコイ写真数枚。

度数3度の日焼け。宿酔。右耳に釣鉤の傷いくつか。

左手にビールオープナーによる大きな切傷あり。

ボートとモーターに大きなダメージ。

無駄になった餌代6ドル。魚と泥の匂いのしみついた自動車。

以上に加えて数週間にわたって続くうめき声。

``嘘つけ、``畜生!、 糞ッ!、 など。

治療法は未知。

・医者は呼ばないこと、彼も多分、釣りに出かけて留守の筈。

                            

                             -----バンクーバーの釣具店でもらったチラシ------

* 釣り人は万国共通
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