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 子供たちがまだ低学年のころ、犬を飼っていた。そのころは、仕事に追われ時間的に余裕が無く、その犬を可愛がっていたとは言いがたかった。たまの休み(日曜日以外の休みは、こどもの日と、勤労感謝の日だけが唯一の祝日だった。)海岸にドライブに行き そこで鎖をはずし自由に遊ばせる程度だった。

 その犬も友人に譲り、ここ十数年犬を飼ったことが無かった。なぜかしら、むしょうにあの犬を思い出してしまう。いぬを飼おうかと思い始めた。あの犬に対する罪滅ぼしと言うか。今度飼う犬は、のびのびとしてもらおう、

 「よし、決めた。いぬを飼おう」、どうせ命を預かるなら、命の期限の切れる保健所に収容されている犬を預かろうと思い。いろいろ調べてみたら「里親制度」と言う、犬が欲しい人との仲介制度が保健所に設けられているようだった。早速予約を済ませ、時間の指示のとおり現地の大里村にある 沖縄県動物愛護管理センターに着くと、十数名位の子供や大人が集まっていた。そこで待っていると、職員の方が、15~16匹子犬が入れられた鉄製のカーゴを引いてきた、

 「大型犬はこちらですよ。はい、小型犬はこちらですよ。」と二組に子犬を分類分けして、いよいよ、犬と人間のお見合いが始まった。待ち構えていた人たちがわっと、二種類のカーゴに群がり、各々品定めを始めた。互いに立ち位置が入れ替わったり、割り込んだり、押しのけたり、かぶさったり、あちらのカーゴに行ったり、こちらのカーゴに行っては子犬を抱きかかえ「可愛い、ふかふか、縫いぐるみみたい。」といいながら目線は、次の子犬に向いて、今まで抱いていた子犬を無造作にカゴに置き、次の子犬へと手を伸ばす。

 こうなると 子犬とのお見合いと言うより、家畜せり市場の品定めに近い。特に、おばさんはバーゲンセールに鍛えられているようで主導権をいつのまにか握っていた。おじさんたちも2~3人いたが皆、所在無さげに控えめに,女性や子供の肩越しに子犬たちを見てたり、片手で遠慮がちに子犬を撫でたりしていた。俺も、皆さんの肩越しに子犬のカーゴに手を差し伸べたら、茶色い毛並みの悪い子犬が手を舐めてきた。首輪のタグ№は6とあった。

 子犬たちは、人間が手を差し伸べると、「クンクン、フッフッ」と前にいる子犬の頭や体を踏み越えて、金網に爪をかけアピールして来ます。踏み越えられたり、踏みつけたり。互いに転がって噛み合ったりしています。生後6ヶ月位の子犬たちが必死に人間にうったえています。「おねがい連れてって。連れてって。おねがい」可愛そうなくらい。小さな集団、ふかふかの毛玉集団があっちにより、こっちによりと、さしのべられた手に 濡れた冷たい鼻先をくっつけて来ます。

 ぽこんとふくらんだ肌色のお腹を見せ、金網に爪をたて、後ろ足をピンと伸ばし、ネズミの手のように小さいゆびを広げてけなげに、プルプルと震えながら必死に金網に爪をたてて立ち上がっています。

 

 しかし、よく観ると、この騒ぎの雰囲気で妙におとなしいのが2~3匹います。ちょこんと座り一点を見つめ、あまり騒ごうとしません。時々 耳を後ろ足で掻いたり、アクビなどして、しらけています。なんでも先週もいた子犬たちだそうです。メスの子犬や毛並みの悪い子犬は取り残されるようです。

 このまま引き取り手がいなければどうなるのだろう、ガス室送りになるのだろうか?と子犬たちを心配していると、どうやら、このせり市場集団に参加しないで、すこし離れたところに待機している、若い娘さんたちのボランティア・グループが 長い間引き取り手の無い犬を 引き取るようだ。彼女たちがこの子らを引き取り 民間活動で里親をさがしてあげるようです。「えらい」。この人たちはえらい。このご時世に、こういった心の人たちもいるのを知ったのも ここに来たおかげだ。

 

 しかし、このままでは 子犬を選べない、迷ってしまう、「決めた。先ほど手を伸ばした時、俺の手に 冷たい鼻先をくっつけてきた赤毛の子犬が 引き取り手がなければあの子にしよう。たしか。タグ№は6番だった。」案の定、メスの子犬や毛並みの良くないのは残った。数匹引き取り手がなく 互いにじゃれていた。

 くじ引きのような入札を終え、次の段階に移る為、建物の一室に集合し、今後の飼い主としての心得を教示された。その後それそれぞれの腕に それぞれの子犬を抱くことが出来た。俺は6番を指名して競合がなかったので希望どおりの子犬を抱いていた。

 家に連れ帰り、抱き下ろすと、周りをクンクンと嗅ぎまわり家中を偵察しはじめた。ありとあらゆるところを嗅ぎまわり、薄暗く狭い場所に落ち着きほっとして、チョコンと横座り、こちらの様子を伺ってる。

 「匂いが違うぞ。いつもと、様子が違うぞ、いつもの叫び声がしないぞ。いつまでも耳について離れない遠吼えがしないぞ。おかしいな。おかしいな。」といぶかしげにしています。「昼間のおじさんの手の匂いの他にいろいろないい匂いがするぞ。」と鼻先を突き出し状況を把握しようとしています。

 何日かすると、我が家の雰囲気にも慣れてきた。足元にじゃれついたり、洗濯物を噛み振り回したり、本来の子犬らしさが出てきた。そこで、はたと困ったのが 下のしつけです。なかなか思うところにしてくれない、ペットショップで購入してきた。オシッコ用の紙シーツと受け板をセットして、部屋の隅に置いて置くが、どうしたことか、見事にそれをは外すのです。優しく「いいか、この真っ白いシーツの上で オシッコをしなさい。ウンコもしてもよろしい。」と言い聞かせシーツをなでて見せますが、そこにはしない、絶対しない。

 

 「おじさんが、何か白いものを広げてものを言っているぞ、多分ここには そそうをするなよ。と注意しているんだな。」とばかりにそのシーツをさけてタタミや床に落としています。ことごとく、指定場所をはずしてくれる。

これではいかんと、トイレを作ることにした。ベランダの片隅に大掛かりな工事をして、犬用水洗トイレを作った。半畳ほどの面積に、レンガで囲いそのうえに 亜鉛メッキの網を張った。網の上に糞が残り シッコは自動的に排水するようにセメントで勾配を作り、排水管も設置した。

 糞は、人間用のトイレに運び込み処理をして、シッコは洗濯機の排水と一緒に流れるように作った。完成した機能的なトイレに子犬をのせると、こいつも気に入ったようで、嗅ぎまわった後 早速シッコをした。「これを見て、ついうれしくて おもいっきりなでまわしてやった」。それからは、犬用水洗トイレでちゃんとことを済ますようになった。

 

 ある程度の時間が過ぎてゆき、子犬は成長し、中型犬へと大きくなった。まさかここまで体が大きくなるとは思わなかった。子犬のころは、ビール瓶一本分位の重さだったのに、今では、一ケース位の体重となった。食べる量も3倍となり、ひりだす糞も三倍となった。まるで糞製造機か、糞変換機となったようだ。顆粒タイプの原料固形物をはらに収納し消化して、排出するときは、かりんとう風に 変換製造しただけではないかと思った。「トイレをしっかり作っておいてほんとによかった」。

 我が家は、味噌汁を毎日作るので大量に カツオブシの出し殻がでる。それを いままで生ごみと出していたが、これではもったない、試しに、ドッグフードにドンブリ一杯分を混ぜて食わしたら、ドッグフードをことごとく残して、カツオブシだけ食うようになってしまった。偏食の癖をつけてしまったようだ。犬のくせに、「好きな食べ物、カツオブシ」 「苦手な食い物、一袋○○円の安物のドッグフード」。となってしまった。

 我が家で、こういった、贅沢が通るわけが無い、すべてを食べつくす までは、飯を与えないでいたら、不満そうに、しぶしぶ、「カリカリ、ボリボリ」と音をたてた。よく観察してみると、カツオブシを最初に食い、ドッグフードは、気が向いた時ボチボチ食い、次の飯の時間までには、食べつくすといったパターンを自分で作りあげたようだ。

 この犬は、カツオブシを食するようになって、行動がおかしくなり始めた。夕方は、できるだけいっしょに遊んでやるのだが、互いに攻撃をしながら、防御をするといった、じゃれあいが好きなようなので、タオルのような物にかみつかせながら、軽いジャブ攻撃を出すと、体を、さっと転進させ、頭を低く構え眼は半眼に、片足をクイっと折り曲げ胴体を、はすに構えることを やるようになった。まるで、猫が攻撃の構えをする時のようだ。子猫がじゃれる時に よくやる 「必殺、金ちゃん走り、の構え」だ。「こいつは、カツオブシを食ってばかりいるので、猫化しているんだな、」と思った。

 どうりで、野良猫が台所を、引っかきまわしても、吠えもしないと思ったら、仲間意識をもっているのかもしれない。近所の子猫や、親猫が入れ替わり、立ち代り、食べ残しのドッグフードを食べにくる訳だ。犬がカツオブシを食い、猫が、ドッグフードを食らう、こうなると、もう笑うしかない。

 かと思うと、よその犬が、近くを通るとすごく興奮して「ギャワン、ギャワン」吠えまくる、前足を叩きながら吠えまくる。朝早くだろうが、夜遅くだろうが、吠えまくる、じだんだ しながら、吠えまくる。「てめえら、縄張りに入るじゃねえ。誰に断って、進入してくるのだ~」とばかりにヒャンヒャンうるさい。家の前の道路は、おのれの縄張りに決めたらしい。

 ベランダで日曜大工をしていると、好奇心いっぱいに寄ってきて、肩越しに覗き込んでくる。作業している手元を真剣に見つめ、それからこちらを見つめて「なにしとん?」と首をかしげて問いかけてくる。まるで人格をもっているかのようだ「大工をしとんのじゃ」と答える。その会話は すべてテレパシーで会話する。いろいろと専門的に説明してやったが、やがて飽きてきたのか、イタズラをはじめて、作業の邪魔をしはじめた。電動工具も扱うので危ない。頭をコツンとやると、頭を垂れ少しはなれてこちらを向き、横座りして、いじけておとなしくなる。その仕草も人間ぽい。

 そんな風にいじけていても、野良犬が前の道路を通ると、バシッと立ち上がり吠えまくる。親の敵とばかり吠えまくる。前足を叩きながら、じだんだしながら吠えまくる。あまりに吠えると近所迷惑になってしまうのでしつけのため、履いている島サバで叩く、「ヒャン」と言って大人しくなるが、野良犬が通ると叩かれたことを忘れて、同じパターンとなる。「なんでかね~このバカ犬は学習しないのかね~」 「叩いてもわからないのかね~」 「何かいい方法ないかね~」。テレパシーを送ってもそんな時は受け付けないらしい。 

 

 

☆マイ ペット
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「ネコってどんな動物?」

・したいようにする
・人の言うことを聞かない
・行動が予測できない
・都合のいいときだけ声を出してなく
・気まぐれ
・部屋に長い毛を落としていく
・こっちが一緒に遊びたいときは一人でいたがる
・こっちが一人でいたいときは一緒に遊びたがる

結論:ネコは女といっしょ



「イヌってどんな動物?」

・寝そべるのは家の一番いい場所
・ほっとくと散らかし放題
・おもちゃがあれば一日中機嫌がいい
・アホヅラに腹が立つこともあればアホヅラがかわいいこともある
・都合のいいときだけ声を出してうなる
・おねだりが上手
・こっちが一緒に遊びたいときは一緒に遊びたがる
・こっちが一人でいたいときも一緒に遊びたがる

結論:イヌは男といっしょ

・・・・・番外編 読み人知らず・・・・・