沖縄 セーリング・カヤック
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 自分は、竿を使用して、ルアーで魚を釣ったことが一度もない。船でルアーを流しトローリング風の釣りならあるがそれは釣ったとは言い難い。引っかかってしまった。と言った方がいい。・・・まるまると太った鰹や、掛けたフックも折れんばかりに暴れまくるマンビカーなどは、何度も上げたことはある。 

 そのエキサイトな感覚をもう一度と、ルアーロッドにルアーを付け、何度も挑戦したことはある。しかし、魚は、引っかからない。全く釣れない。かかるのは海底の岩らしい。見えないので確認は出来ていない。そこで、沈まないルアーを使用してみたが、こいつが飛ばない。おもいっきり竿を振ってはるか向こうに着水するであろう水面を見つめるが、だいたいあらぬ方に着水し、糸がふけ、竿先に絡みつく。そんなものを直し直し、しているうちにいい加減嫌気がさして道具の片づけに入る。

 集中力がないのか、はなからこんなオモチャのようなものに魚が食らいつくはずがないと思いながらしているのか、とにかく一度もヒットしたことがない。もちろん餌釣りではそこそこの釣果はあげる、キス釣りしかり、チヌ釣りしかり。様々な餌釣りはしてきたが確率は高かった。ルアーが流行り始めた時期。ルアー竿というものが釣り具屋の店頭に出始めたころから、興味がありチョコチョコ道具を揃え、餌釣りの合間にチャレンジしたが釣れない。なんど振っても、奇跡もなければ。ビギナーズラックもなかった。

 幸い自分は、ディンギーを所有している。それなら海上から竿を出してルアーフィッシングをしてみようと考えた。近くのリーフへセーリングで出かけてみたが、NACRAは、アンカリングして止めておくタイプでないことがすぐ分かった。一所にじっとしていない。ちょっと風が吹くと前へ走り始めたり、横走りしたりして落ち着かない。良いポイントの上に来たかと思うと横滑りしてリーフの際に上ったり、暗いどん深の真上に着たりでどうしようもなく、釣りにはならなかった。

 この船では釣りは無理だ。それなら最近流行りのカヤックならどうだ。たしかシットオン・カヤックというのがルアーフィッシングに向いているとなにかのブログにあった。確かに、ブログの画像には、カヤックの上で撮った大きく生きの良さそうな赤い魚が・・・・・決めた。シットオン・カヤックを手に入れよう。

 さっそく、棟梁と近くの専門店へ出かけてみた。店の二階には、あらゆるタイプのカヤックがデスプレーされている。いろいろ収納スペースがありいずれも良い。その中で値段もそこそこで3人乗り(積載量300kg)があった。その店で展示されているカヤックで一番長かった。(フィールフリー・ニュートライヤック、全長4.4M 重量33kg 全幅82cm) 「良し、これに決めた 」。大は小を兼ねると言うじゃないか。これは良い買い物をしたかもしれない。多少興奮しながら 「こ、この船を下さい」 ¥で支払い、二人でカートップした。

 さて、ワクワクしながら棟梁と進水式を兼ねてパドリングしてみた。風は少々強い、二人で漕くとそこそこ早い、最初は慣れなくて互いのオールをパカンパカン当てたり、冷たい海水を互いにかけたりしていたが、しばらくするとタイミングが合い、リズムが合い始めた。これはなかなか良いではないか。しかも、直進性があり、案外安定している。・・・・

 しかし、アビームの風を受け始めると、リーウエイが強い。横流れしていく。二人は、下に落とされまいと、風下側だけを必死に漕ぐ、パドルを漕ぐと言うよりも、エークをかくといった感じで必死になるがやはり落ちて行く。パドリングとはほど遠い。全長が長く丈が高い分、風の影響が強いようだ。

 一人で出港したこともあるが、この船は、シングルには向いていないのを確信した。特に風に弱いのがすぐに分かった。風に負けないように必死に漕いだら腰まで痛めてしまった。3人乗りだと具合は良いが1人では、無理がある。これは困った。シングル出向に向いていない。買った意味がない。大は小を兼ねなかった。

 カートップも艇が長く重く、一人ではやっかいだった。しばらく乗らなかった。ほっておいた。おそらく艇を購入して、2年間の間、7回しか乗っていなかったと思う。艇のカラーもまるで半熟バナナのようでなじめなくなっていた。

 その後、セーリング・シーズンには、カタマラン・ディンギーで青い海やサンゴの上などを突っ走って楽しんでいたが、オフ・シーズンにはやることがない。そこで、その閑な期間は、あの半熟バナナ(フィールフリー)を改造して風で走る改造ディンギーにしてしまおうと、夜寝ながら考えた。だいたい風に弱い艇なら風を利用すればいいじゃないかと考えた。艇の長さが利用出来る。艇の重さが安定感を増す。艇の幅広さがヒールを殺す。弱点が利点になるではないか。これは、やる気が俄然出てきた。それを制作して、セーリングでポイントへ行き、ルアー・フィッシングを楽しめるではないか。オールを漕ぐのは、たまにで良いじゃない。

 まずは、制作計画を練り、工作にかかった。

1. ラダー・システムの制作 →      あるセーリング・カヌーのシステムをやや改造してすぐ出来た。

2. リーボード・システムの制作 →    リー・ボードのUP・システムに苦労したがまあまあ出来た。

3. マスト取り付けシステムの制作 →  これはオリジナル、参考になる資料が無かった。

4. マスト・メイン・セール、システムの制作 →  このシステムが一番やっかいだった。今も苦労している。

5. アウトリガーシステムの制作  →        これは施行錯誤しながら何とか形になった。

 

 ④. のマストとセール  ↓ 

 当初は、マリーナのチリ捨て場に捨ててあるのを、トウリョウが拾って来たウィンド・サーフィンのマストとセールを使用した。これがまったく、具合が悪かった。初セーリングでは期待と興奮で、ワクワクしながらポンツーンから離岸すると同時に即沈した。3秒ももたなかったと思う。がっかりした。よく知られるセーリング・カヌーとだいたい同じサイズなのに、こんなにも簡単に沈するとは。艇を起こして再乗艇など無理だった。まったくの企画倒れ。・・・・・・・・消沈した心に海水は冷たかった。

 

 制作計画当初は、トウリョウとこんなやり取りがあった。

 オヤカタ~アウトリガーを取り付けた方が安定するんじゃないと?・・・・・・トウリョウ言った。

 そげなことできるかい。ガキの自転車の補助輪みたいのがみっともなくて付けられるか。・・オヤカタは言いきった。

 即、翌週からアウト・リガーの制作にかかった。ハッポースチロールにグラス・ファイバーを巻き、形よく仕上がったのがしばらくして完成したので、取り付けて試運転してみた。艇は安定しスーとばかりに走り始めた。調子に乗り外海に出た。だが、以外に外海は波が有り、風もあった。怖くなり港へ引っ返そうとタックすると同時にアウトリガーが沈み始めてそのまま沈した。と思ったらやがて完沈した。なすすべなく体は横向きになりながらロープ類と一緒に海中に没したが水中でロープが足首に絡みそれを解こうとしてパニクリまくったがなんとか解き、艇を起こした。

 その日の艤装パターン

アウトリガー・・・・・・・・・・スチロール製ハワイアン型(浮力足りず)

メインセール・・・・・・・・ウインド用、チリ捨て場にて拾ったメイン(いびつ型)

マスト・・・・・・・・・・・・・・ウインド用、同じくチリ捨て場にて拾った改造マスト

 この艇は、カタマランに比べ、一人でも簡単に起き上がる。これは、嬉しかった。しかし、起こした後、再乗艇となるが「セーノ!」と気合をいれながら駆け上がると今度は、アウトリガーの無い方へ艇はゆっくりと傾き始め、しまいには沈した。艇は静かに自分の上へ被さってきた。海中から真上に見える半熟バナナ(フィールフリー)は感覚がつかめない。

 あおむけに見る、表の船なんて見たことがない。ライフ・ジャケットに艤装がひっかかりそれが邪魔して上がるのを妨げる。水中からは水面の波紋が明るく見える。またまたパニクル。必死で絡みを外し、激しくむせながら息次ぎしてしばらく艇にしがみついていた。このままではどうしようもない。艇を起こさなければ帰れないし、その上、海水も冷たい。なんとか慎重に再再乗艇し港に向かった。途中、お船の仲間が心配してわざわざ自分のヨットを出向させ様子を見に来てくれて来た。非常にありがたく思った。

 上記の沈の原因は、アウトリガーの浮力があまりに小さいのと、ウインド用のセールのセイプが、なぜか左右違うのでそれを修正しているうちに沈してしまったようです。うまく表現が出来ませんが、風力と、硬すぎるバテンが原因かも知れません。一番の原因は、捨ててあるものは何らかの理由が有るので廃棄されている。いうことかも知れません。

 その後、いろいろ微調整を終えて、メインセールもサン・フィッシュに変更し、トウリョウと外海の多少沖合に出向した。そのころの季節は、初夏万事のセーリング日和、海の色が違う、海水も生ぬるい、サンゴさんも生きている。雲も真っ白くふっくらに高く流れ浮いている。風は、陸風を受けアビームだ。半熟バナナ(フィールフリー)は意外に波を切っている。やはりメイン・セールは既製品に限るわい。メインはパワー・エンジンなのだ。

 走りも安定している。トウリョウがふざけてバランスを崩しても修正が出来る。 「これはたのしか~なのだ。」 だが互いにふざけの度が過ぎた。案の定浮力のないアウトリガー側に艇は、沈しよった。沖あいで案の定完沈となった。だが以前のようにパニクリはしなかった。なにせトウリョウという、完沈にお強い味方が乗船しているのでそんなに心配は無かった。

 二人して基本通り起こしにかかる。メインをフリーにする。両名合図と同時に片舷にしがみ付き、全体重を掛けた。艇は起き始めた。と思ったら、何処か遠く深い処で「 バッキン 」と砕音がした。・

 

 それから何とかして艇を起こし、セールや折れたマストを横に片づけ、とあるビーチの片隅までパドリングしてたどり着き、お船仲間に連絡し、ゴムボートで、けん引レスキューーしてもらい帰港した。

 その後、折れたマストはお払い箱となり、今度は、オヤカタが調達してきたこれまたウインド用のマストを改造して建てつけた。アウトリガーも新しく制作した。かなりの浮力を持たして製造した。ベニヤ板を、ステッチ・何とか工法と言う工法でサバニ型とした。

 隔壁は5室、取り付けもピンの差し込みだけでワンタッチ式として出航準備をスピーディーになるように工夫した。さっそく取り付け試運転となった。もちろん今回も、完沈に強いトウリョウにご同行願った。今回は、外海は止めておく、多少風もあるし、沖でのトラブルは避けたい。 「君子危うきに近寄らず」 。マリーナ港内を走ることとなった。風向きは、北東やや強し。岸から出向スイスイ走る。

 今日の、艤装パターンは、

アウトリガー・・・・・・・・・・・・・(サバニ型長さ2.9m)(後にハワイアン方式に変更)

メイン・セール・・・・・・・・・・・(サンフィッシュ型)(後にボルトロープ方式に変更)

マスト・・・・・・・・・・・・・(オヤカタが拾って来たやつ)(後にメーカー純正品を採用)

 しかし、なぜか、舵利きが悪い、レスポンスが悪い、直進性極端にあるが、舵が利かない。試しにリーボードを全部上げてみた。するととたんに利きが良くなった。これは、アウトリガーのキールが鉈の刃のように切り立っているのでそれが小回りを邪魔しているようだ。直進性もありリーウェイもないが、進行変更に苦労するでは、なんともならない。

 そんな構造的欠陥と長所を確認しながら、タックを繰り返し走っていたら、突風が吹き始めアウトリガーがザーザー音が出始めると同時に 「 メリ、メリ、バッキン 」 何処かで聞いたことのある破音がしたと思ったら緑色のメインセールが覆い被さってきた。またまたデス・マスト。今度は走行中に折れよった。慣れたものでトウリョウもオヤカタも互いにあまりものを言わず片づけに入り、さっさと艇にマストとセールを縛り付け、出てきたスロープへせっせとパドリングで帰った。

 その後、再びデス・マストした二本目のマストもお払い箱となった。オヤカタは考えた。二度と折れないマストを手に入れようと思案した。いろいろ手配して、直径がビール缶程の長さ2.5m、厚み2ミリのアルミ製の筒を手に入れた。これはサン・フッシュのセールボートの純正マストに近い。これは良いマストが手に入った。オヤカタは、欣喜雀躍・欣喜雀躍。さっそく半熟バナナに取り付けメイン・セールの位置調整などを終了させ出向準備を整えた。次第に完成度の高いセーリング・カヤックとなり始めたと、オヤカタは嬉しがった。

 だがその前に、アウトリガーの構造を変更しなければ良いセーリングは望めない。あのサバニ型は、直進性が高すぎるし完成度が低いので、海水が内部に入り込んでしまっていた。5壁にしてあったので簡単に排水が出来ない。ドレン一個では要は足せないのです。ドレンを5個も付ける改造するより、ハワイアンアウトリガーを改造したほうが早い。サバニ型は来年同じ型を制作してカタマランとして制作することにしよう。幸い全長2.9mと設計してあるので2馬力エンジンが搭載できるし、セーリング使用にすればそこそこのスピードも出るだろう。来年の楽しみが増えたというものだ。

 以前装着していたハワイアンアウトリガーを真っ二つに切断し、その間に直径150ミリの塩ビ管を1.6m足し浮力を上げた。塩ビ管なので丸い、その為直進性には、あまり影響は無いはずだ。ということは、苦労して制作したリーボードシステムも役に立つ。サバニ型のときはリーボードは完全に上げなければ舵が利かなかったので再びこのシステムが使えるのは嬉しい。

 さて、試運転といこうか。新しいマスト、改造ハワイアン、純正メイン、これだけ完璧ならどこに落ち度があろうか?。艤装を進めながらそう思う。今回も、やはりトウリョウにご同行を願う。完沈のベテランに乗船してもらえば心強いと言うものだ。

 今回の艤装パターン

 アウトリガー      ハワイアン型改造済みアウト・リガー、浮力は2倍と思われる。

 メイン・セール     純正メーカー制、サン・フィッシュ、(ボルトロープ方式に変更)

 マスト         メーカー純正品

 今回も、沖出しは避けた。一度有ることは二~三度有る。と何とかの法則にあった。それで港内での試運転とする。風向き東風、風力はそんなに無いと思う。スロープから、いつもよりスムーズにすべりだす。ハワイアン・アウトリガーも計算通りの沈み具合だ。これは良いぞ。安定感がまったく違う、浮力が増した分気分的に安心感がある。メインはアビームで膨らみ波切り走る。

 良いぞ良いぞと思ったら、いつのまにか海中に二人とも浸かっていた。艇も完沈してしまっている。意味が解からない。突然突風が吹いたわけでもないし、疾走していたわけでもない。この海域は魔のトライアングルか?。

 ??のまま、いつものように艇を起こしにかかる。しかし、なかなか起きてこない。今までで一番手ごわい。メインがフリーになっていないのが解かったので、ライフジャケットを外し、ロアー・ブームまで潜りシャックルを外し、ようやく艇が横沈状態まで復元した。その間、通りががる船から 「だいじょうぶか」 と声がかかる。「 だいじょうぶです。ありがとう」 とトウリョウ元気に応える。

 横沈の状態になった時、手間取った原因が解かった。完枕した時マストがマスト・サポートから抜け落ちたらしい。しかも、メイン・シートを外してしまっていた。これは、あとわずかな個所でしか、マストとブームは繋がっていない。それで、二人ともいつもよりバタバタしてようやく起こしたようだ。その間に艇は、防波堤近くまで風下に流されていた。トウリョウは艇に登り上がり抜けたマストを回収しブーム、ロアーとアッパーを引っ張り上げメインを片づけに入った。その間オヤカタは、艇が岸に乗りあげないように逆平泳ぎでなるべく岸から放す為必死に泳いでいた。

 何で、沈したのか意味が解からない。トウリョウも突然だったと言っていた。マストが抜けるとは思いもしなかった。後で解かったが、ブームの先端に海底の泥が付着していたので完沈した時海底に刺さっていたようだ。浅い海で沈するとこういったトラブルもある。今回の反省点は、マスト抜け防止をしていなかったこと。完沈防止の黒球をつけ忘れたことの2点に尽きる。今後注意しようと思う。・・・・・・・・(突然沈した原因は未だ解からず)

 ルアーフッシングがしたくてセーリング・カヤックを制作しているが、竿を出すまでにまだまだ時間がかかりそうだ。もしかすると今年は間に合わないかも知れない。しかし、釣りがしたい。一度で良いからあのルアー・フィッシングでアカジンを釣ってみたい。いや、こうなったら、アバサーでもトントンミーでもかまわない。 「ヒットー、フィッシュオン」 と声高く叫んでみたい。どや顔で記念写真を撮ってみたい。釣った魚を出来るだけ前に差し出して・・・・・・・・・。

 ・ いろいろ試行錯誤の末、マスト(メーカー純正品・応用)メインセール及びアウト・リガーを改良した結果十分満足いくものができた。特にメインセールの改良が良かったようだ。(ボルトロープ方式・トップフラットに改良し。バテンを入れたら良いシェイプになり、風に上がるようになった。ジブセールのファーリングのいいものが出来た。

        

フィールフリー シットオン・カヤックをセーリング・カヤックに改造する
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